好きな子



『 私 … ナ ル ト の そ の 性 格 が 大 好 き よ 』


そんな風に思ってくれる彼女が大好きだ。だけど勘違いはしては、いけない。そんな事わかってる。

彼女が好きなのは、自分じゃなくてあいつなんだから・・・。





『 ナ ル ト は 、 気 づ い て く れ な い ん だ ね …… 』



なんでそんな悲しい顔するのか俺には、分からない。何が悲しいのか分からない。自分でもよく分からないけどもしかしたら分からない振りをしてるのかもしれない。



サクラは、振り続ける雨の中、傘に途中まで入れてくれたナルトに笑いながらじゃあねと言ってナルトの目の前から姿を消した。



彼女の顔がやけに頭にくいついた。なんで・・・・?どうして?頭の中には、疑問が渦巻く。











【 好 き な 子 】















「サクラちゃん、ごめんね」











サクラの遺体が見つかったのが次の日の朝。きっとナルトと別れた後に、サスケに襲われたんだと思う。







サスケがこの里に来ていると言う情報が入ったのは、朝方だった。暗部の者が体中に大怪我をしながら火影に伝え息を引き取ったらしい。第7班が初めて演習した所。やっと忍者になれたと思った場所。ナルトが内緒でお弁当を食べようとし罰として丸太に縛らた覚えがある。その丸太によっかかりながら体の中心部分に大きな穴がぽっかりと開いていた。乱れた髪。よくいのにデコリンと呼ばれていたおでこは、髪の毛で隠れていた。顔中に擦り傷。腕は、折れているのだろう…反対側に肘が曲がっている。



精神的訓練は、アカデミーに入った頃から受けさせられてたけど俺は、サクラちゃんの死があまりにもいきなりすぎて実感がわかなかい。



サクラちゃんを見つけた時の顔の色が、青白くてつい

( 気持ち悪い )

思ってしまう。

人間がこんな色になってしまうのだろうかと思うほどであった。けど、それだけに彼女を美しいと思ってしまう自分の気持ちも反面あったのかもしれない。

どれだけ激しい戦いをしたのだろうか無数に盛り上がっている岩の数。折れた木。きっと相変わらずの怪力でサスケを追い込んでいたのだと思う。

俺は、丸太によっかかっているサクラちゃんの額に触れる。

( すげえ、つめてぇ… )

「 サクラちゃん、ごめん 」

なんで自分が誤るのか分からないけど、半開きになって光が入り込んでいるサクラちゃんの目を見て言う。しかし、彼女から言葉は戻ってこなかった。そんな事ぐらい分かっているのに何故か話すには、いられなかった。



昨日の出来事が頭の中で動き出す











「 前の日言ってくれた事、すげぇ嬉しかったってばよ 」











『 私 … ナ ル ト の そ の 性 格 が 大 好 き よ 』







「 俺も、サクラちゃんの事大好きだってばよ 」





彼女の悲しい顔が頭に浮かぶ。





『 ナ ル ト は 、 気 づ い て く れ な い ん だ ね …… 』















































「 なんでそんな悲しい顔するってばよ……? 」


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